ふるさと納税をしたあと、「自分は確定申告が必要なの?」と迷う方も多いですよね。
ふるさと納税をした人全員が確定申告をするわけではありません。条件を満たしてワンストップ特例を利用する場合は、確定申告をせずに寄附金控除を受けることができます。
一方で、6自治体以上へ寄付した人、もともと確定申告が必要な人、医療費控除などのために確定申告をする人は、ふるさと納税についても確定申告で手続きする必要があります。
この記事では、まず「自分は確定申告が必要なのか」を確認し、そのあと必要書類や申告方法、e-Tax、所得税の還付、住民税への反映、申告を忘れた場合まで順番に解説します。
- ふるさと納税で確定申告が必要なのはどんな人?
- 6自治体以上へふるさと納税した人は確定申告が必要
- もともと確定申告が必要な人もふるさと納税を申告する
- 医療費控除などで確定申告する場合はどうなる?
- ふるさと納税の確定申告に必要な書類・情報
- ふるさと納税の確定申告はどうやる?
- e-Taxならふるさと納税もオンラインで確定申告できる
- ふるさと納税の確定申告はいつからいつまで?
- ふるさと納税を確定申告すると所得税はいくら戻る?
- 住民税への控除は翌年度に反映される
- ふるさと納税の確定申告を忘れたらどうする?
- 確定申告したのにふるさと納税が控除されていないと感じたら?
- ふるさと納税の確定申告でよくある質問
- まとめ|確定申告が必要かを確認してから手続きを進めよう
ふるさと納税で確定申告が必要なのはどんな人?
最初に、自分がどちらに当てはまるか確認してみましょう。
| 状況 | 基本的な手続き |
|---|---|
| 確定申告が不要な給与所得者などで、寄付先が5自治体以内 | 条件を満たせばワンストップ特例を利用できる |
| 寄付先が6自治体以上 | 確定申告 |
| もともと確定申告が必要 | 確定申告 |
| 医療費控除などのために確定申告する | ふるさと納税も含めて確定申告 |
| ワンストップ特例を申請したあとに確定申告する | ワンストップ申請分も含めて確定申告 |
大切なのは、「会社員だから確定申告は不要」とは限らないことです。
自分で確定申告をする理由がある場合は、ふるさと納税についても確定申告に含めます。
6自治体以上へふるさと納税した人は確定申告が必要
ワンストップ特例を利用できるのは、1年間のふるさと納税先が5自治体以内の場合です。
6つ以上の自治体へ寄付した場合はワンストップ特例を利用できないため、寄附金控除を受けるには確定申告が必要になります。
ここで数えるのは寄付回数ではなく自治体数です。
たとえばA市へ3回、B町へ2回、C村へ1回寄付した場合、寄付回数は6回ですが寄付先は3自治体です。自治体数については5自治体以内の条件を満たしています。
反対に、6つの異なる自治体へ1回ずつ寄付すれば6自治体になるため、確定申告で手続きします。
もともと確定申告が必要な人もふるさと納税を申告する
ふるさと納税をしていなくても確定申告が必要な人は、ふるさと納税についても確定申告で寄附金控除の手続きをします。
たとえば個人事業主など、もともと所得について確定申告を行う人が該当します。
この場合、「寄付先が5自治体以内だからワンストップ特例にしよう」と分けるのではなく、通常の確定申告にふるさと納税の寄附金控除も含めます。
医療費控除などで確定申告する場合はどうなる?
会社員で普段は確定申告をしない人でも、医療費控除などを受けるために確定申告をすることがあります。
この場合も、ふるさと納税について確定申告で手続きします。
特に注意したいのが、すでにワンストップ特例を申請している場合です。
ワンストップ特例申請後に確定申告するとどうなる?
ワンストップ特例を申請した人が、その年分について確定申告をすると、ワンストップ特例の申請は無効になります。
そのため、医療費控除などのために確定申告することになった場合は、ワンストップ特例を申請済みの寄付も含めて、その年に行ったふるさと納税を確定申告に含めます。
たとえばA市とB市についてワンストップ特例を申請したあと、医療費控除のために確定申告することになった場合、「医療費控除だけ確定申告して、A市とB市はワンストップのまま」という分け方はしません。
A市・B市への寄付も確定申告の寄附金控除に含めます。
ワンストップ特例そのものの利用条件や申請方法については、ワンストップ特例の記事で詳しく確認してください。
ふるさと納税の確定申告に必要な書類・情報
確定申告をすると決まったら、申告を始める前に必要なものを準備しておくとスムーズです。
ふるさと納税については、主に寄付先・寄付日・寄付金額などを確認できる証明書が必要になります。
自治体から届く寄附金受領証明書
ふるさと納税をすると、寄付先自治体から寄附金受領証明書が発行されます。
複数の自治体へ寄付している場合は、申告漏れがないように証明書を確認しておきましょう。
寄附金控除に関する証明書を利用する方法もある
確定申告では、必ずしも寄付ごとの寄附金受領証明書を1枚ずつ使わなければならないわけではありません。
国税庁長官が指定した特定事業者を通じてふるさと納税をした場合は、特定事業者が発行する年間の寄付額をまとめた「寄附金控除に関する証明書」を利用できます。
複数の寄付をまとめて確認できるため、ふるさと納税の回数が多い人には便利です。
証明書を電子データで取得し、e-Taxで確定申告に利用できる場合もあります。

ふるさと納税の確定申告はどうやる?
初めて確定申告をする方は難しそうに感じるかもしれませんが、ふるさと納税については「寄附金控除」として申告するのが基本です。
大まかな流れは次のとおりです。
- その年に行ったふるさと納税を確認する
- 寄附金受領証明書など必要な証明書を準備する
- 確定申告書等作成コーナーなどで申告書を作成する
- 寄附金控除にふるさと納税の情報を入力する
- 住民税に関する項目も確認する
- e-Taxなどで申告書を提出する
確定申告書を作成するときは、寄付した自治体や寄付金額を確認しながら入力します。
ふるさと納税について確定申告する場合は、確定申告書第二表の「寄附金控除に関する事項」に加えて、「住民税に関する事項」の「都道府県、市区町村への寄附(特例控除対象)」についても入力・記載漏れがないようにしましょう。
所得税の確定申告書は個人住民税の申告も兼ねているため、この住民税に関する記載が重要です。
e-Taxならふるさと納税もオンラインで確定申告できる
確定申告は、税務署へ紙の申告書を持っていくだけではありません。
国税庁の「確定申告書等作成コーナー」を利用して申告書を作成し、e-Taxでオンライン提出することもできます。
スマートフォンを使った申告にも対応しているため、会社員などで初めて確定申告する方にも利用しやすくなっています。
マイナポータル連携で寄付情報を取得できる場合もある
マイナポータル連携に対応している特定事業者や自治体であれば、ふるさと納税の証明書データを取得し、確定申告書等作成コーナーへ連携できる場合があります。
対応している証明書を利用すれば、寄付情報を1件ずつ手入力する手間を減らせます。
ただし、利用しているふるさと納税サイトや寄付先自治体がマイナポータル連携に対応しているかは確認が必要です。
ふるさと納税の確定申告はいつからいつまで?
所得税の確定申告は、原則としてその年の1月1日から12月31日までの所得について、翌年の2月16日から3月15日までに行います。
2026年中に行ったふるさと納税については、2026年分の確定申告に含めます。
なお、3月15日が土曜日・日曜日・祝日などに当たる年は、申告期限が翌開庁日になる場合があります。実際に申告するときは、国税庁が公表するその年の確定申告期間を確認してください。
ふるさと納税を確定申告すると所得税はいくら戻る?
ふるさと納税で確定申告をすると、一定の上限まで、寄付額のうち2,000円を超える部分について所得税と住民税から控除を受けます。
ここで初心者が間違えやすいのが、「寄付額から2,000円を引いた金額が、すべて所得税の還付金として振り込まれるわけではない」ことです。
確定申告をした場合、所得税では寄附金控除による所得控除が反映され、残りは翌年度の住民税から控除される仕組みです。
そのため、「思っていたより還付金が少ない」と感じても、所得税の振込額だけを見てふるさと納税の控除が不足していると判断することはできません。
住民税への控除は翌年度に反映される
ふるさと納税による控除は所得税だけではありません。
確定申告の内容は住民税にも反映され、ふるさと納税による住民税の控除は翌年度の住民税に反映されます。
たとえば2026年中に行ったふるさと納税について確定申告した場合は、2027年度の住民税で控除を確認することになります。
実際にどこを見れば控除額を確認できるのか、住民税決定通知書の見方については別の記事で詳しく解説します。

ふるさと納税の確定申告を忘れたらどうする?
「ふるさと納税をしたのに、確定申告を忘れていた」と気づくこともあるかもしれません。
まず、確定申告をする義務がある人が期限までに申告していなかった場合は、気づいた時点でできるだけ早く申告する必要があります。期限を過ぎて提出すると期限後申告となり、申告内容によっては無申告加算税などが発生する場合があります。
一方、もともと確定申告をする義務がない人が、ふるさと納税の寄附金控除などによって所得税の還付を受けるために行う還付申告は、原則として対象となる年の翌年1月1日から5年間提出できます。
つまり、「3月15日を過ぎたから、ふるさと納税の控除はもう絶対に受けられない」と一律に考える必要はありません。
ただし、確定申告義務の有無や申告内容によって扱いが異なるため、期限を過ぎた場合は自分の状況を確認して早めに手続きしましょう。
確定申告したのにふるさと納税が控除されていないと感じたら?
確定申告をしたあとに「控除されたか分からない」と感じた場合は、まず所得税の還付だけで判断しないことが大切です。
ふるさと納税の控除は所得税と翌年度の住民税に分かれて反映されます。
また、確定申告時にふるさと納税を寄附金控除へ含め忘れていたり、住民税に関する事項の記載が漏れていたりすると、想定どおり反映されないことがあります。
ワンストップ特例を申請したあとに確定申告を行い、その確定申告にふるさと納税を入れ忘れていた場合も注意が必要です。
国税庁では、このような場合に更正の請求によって寄附金控除の適用を受けられるケースがあると案内しています。
住民税決定通知書を使った具体的な確認方法については、⑨の記事で詳しく扱います。
ふるさと納税の確定申告でよくある質問
会社員でも確定申告が必要ですか?
会社員でも確定申告が必要になる場合があります。
6自治体以上へふるさと納税した場合や、医療費控除などのために確定申告する場合などは、ふるさと納税についても確定申告に含めます。
ワンストップ特例と確定申告はどちらをすればいいですか?
確定申告が不要な給与所得者などで、寄付先が5自治体以内などの条件を満たす場合はワンストップ特例を利用できます。
もともと確定申告が必要な人や6自治体以上へ寄付した人などは、確定申告で手続きします。
ワンストップ特例を申請済みでも確定申告できますか?
できます。ただし、その年分について確定申告をするとワンストップ特例の申請は無効になります。
ワンストップ特例を申請した寄付も含めて、その年に行ったふるさと納税を確定申告へ含めてください。
寄附金受領証明書を全部用意しないと確定申告できませんか?
寄付先自治体が発行する寄附金受領証明書を利用する方法のほか、国税庁長官が指定した特定事業者が発行する「寄附金控除に関する証明書」を利用できる場合があります。
利用しているふるさと納税サイトなどが対応しているか確認してみましょう。
e-Taxならスマホだけで確定申告できますか?
国税庁の確定申告書等作成コーナーはスマートフォンにも対応しています。
申告内容や利用環境によって必要な準備は異なりますが、マイナンバーカードやマイナポータル連携を利用してオンラインで手続きを進めることもできます。
所得税の還付金が少ないのは失敗ですか?
所得税の還付額だけでは判断できません。
ふるさと納税の控除は、一定の上限まで所得税と翌年度の住民税に分かれて反映されます。翌年度の住民税もあわせて確認しましょう。
確定申告を忘れて3月15日を過ぎたら終わりですか?
一律に終わりではありません。
確定申告義務がある人はできるだけ早く期限後申告を行う必要があります。一方、確定申告義務のない人の還付申告は、原則として対象年の翌年1月1日から5年間提出できます。
まとめ|確定申告が必要かを確認してから手続きを進めよう
ふるさと納税をした人全員が確定申告をするわけではありません。
確定申告が不要な給与所得者などで、寄付先が5自治体以内などの条件を満たす場合はワンストップ特例を利用できます。
一方、6自治体以上へ寄付した人、もともと確定申告が必要な人、医療費控除などのために確定申告する人は、ふるさと納税についても確定申告で寄附金控除の手続きを行います。
ワンストップ特例を申請済みでも、その年分について確定申告をするとワンストップ特例は無効になります。この場合は、申請済みの寄付も含めて、その年のふるさと納税を確定申告へ入れることを忘れないようにしましょう。
確定申告では、自治体から届く寄附金受領証明書のほか、利用条件を満たせば「寄附金控除に関する証明書」やマイナポータル連携も利用できます。
まずは自分がワンストップ特例と確定申告のどちらに該当するのかを確認し、必要な手続きを進めていきましょう。
※本記事は2026年9月24日現在の国税庁公表情報および法令等をもとに作成しています。確定申告の期間や手続き、e-Taxの利用方法などは変更される場合があります。実際に申告する際は国税庁の最新情報をご確認ください。


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